ケープ・ライトのdiary

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入籍の撮影で京都へ行きました。

きょう、結婚式を挙げたナカタニさんとテルミさん、9年前の8月26日に付き合い始めた。そして、そんな忘れられない二人にとっての記念日、婚姻届を提出。

区役所へ行くまでは気さくに笑っていたふたりだったが、区役所での待ち時間は緊張の面持ち。

「今までずっと使っていたマツオカという姓が変わるというのは寂しい気持ちでもあります。」

と花嫁のテルミさん。

旦那さまのナカタニさんは

「‘ナカタニテルミ’になったんやね~。」と感慨い表情。

緊張感の中にも、ふたりの顔には喜びが溢れている。とても晴れやかな表情だ。こんな大切な瞬間に立ち会えるぼくは本当に幸せだと思う。


区役所へ行く前後には、お2人の母校を案内してもらったり、鴨川沿いを3人でゆっくり散歩したりと、初対面とは思えないくらい仲良くさせてもらった。

気が付けば3時間も。

入籍日という、とっておきの記念日におふたりと3時間も一緒に過ごさせてもらって申し訳ない気持ちがいっぱいだ。
でも、それ以上に嬉しい。3人で過ごした時間は僕にとってもこの上ないくらい幸福な時間だ。

ナカタニさん、テルミさん、おめでとうございました。そしてありがとうございます。

2ヶ月後の結婚式も宜しくお願いします!!

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まったく、ケープ・ライトも飲み会はいつもグダグダなんだ。

きょうはうちの仕事を手伝ってもらっているスタッフたちとビアガーデンへ行ったのだけど、途中から雨が強く降りだして退散して、場所をかえてしこたま飲んだ。旨い。そんな感じで皆がいつしか酔っ払って奇声を発してお開きになる。平和なことこの上ない。

だけど僕はそんな皆が大好きだ。何がってそのちゃらけた所が大好きだ。これからも遠慮せずちゃらけて欲しい。そんな中から生まれる信頼関係はまさしく本物だ。

ぼくも明日から娘とともにちゃっらけてみよう。奇声を上げて。

次に飲み会で集まる頃、ぼくたちの関係はより強固なものになっていると思う。

ぼくは大好きだ。今日会った皆が。そして、きょう来れなかった人たちも、ぼくはずっと一緒に仕事が出来ることを願っている。

皆が。ひとりひとりが大切な人だ。そのことを忘れてはならない。

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いつもミュージカルの撮影をさせていただいている、劇団・ショーカンパニーの東京公演の撮影に行ってきました。

旗揚げ以来20年、ずっと大阪を拠点に活動をしてきたショーカンパニーにとって初めての東京公演。悲願でした。

だから。いつも以上に心が伝わる芝居になりました。

セリフの。
ダンスの。
歌声の。

ひとつひとつが持てる以上の力を発揮して、その気持ちは満員の観客にも伝わって、会場全体がひとつになった素晴しい公演になりました。

ぼくの撮影場所は観客席の最前列。
ここからは役者の息遣い、紅潮した顔、潤んだ瞳。すべてを見ることが出来る。すべてを感じることができる特等席なのです。

ぼくの仕事は写真を撮ることではなく、眼の前で起きている事を感じること。

だから、体全体で眼の前のすべてを受け入れて夢中でシャッヤーを切ります。

20080812

北海道からの帰り道。妻と娘を先に帰して、ぼくはつかの間の一人旅を楽しむ。
函館から1時間30分。長いトンネルを通って到着した場所は青森。
ぼくはこの場所でゆっくりとした一日をすごした。

【三内丸山遺跡】

三内丸山遺跡は僕にとってディズニーランドのような場所だ。
5000年も前に人々がこの土地に暮らし、大都市として機能していた。

朝の早い時間、この場所を訪れた。

広い。ただ広い。この足元に5000年前の人々が眠っているのだ。
(当時から北海道や本州の南側とも交流があった大都市だったようなので、ひょっとすると梅田や東京くらい賑やかな場所だったのかも知れない。)
文字もなく、ビールもなく、テレビや写真もない(当たり前やね)そんな縄文時代、人は何を思って暮らしていたのだろうか。

強かったんだろうな。
そう、強靭だったんだろう。

考えてみればぼくの体なんか全くのひょろひょろで。

現代のオリンピックに縄文人が出場したら、重量挙げなどは間違いなく金メダルだろう。体操も結構良い所まで行くんじゃないだろうか・・・

そんな想像を巡らして歩くのは楽しい時間だ。
ミッキーマウスもアトラクションもないけれど、5000年前にタイムスリップできる三内丸山遺跡、
スバラシイ!!

【三厩駅】

昼過ぎから列車に乗ること2時間。三厩を目指す。

2003年夏、1ヶ月かけて東北を旅した事があって、そのとき津軽半島の一番北、三厩駅に立ち寄ったのを覚えている。

駅の周りには数件の家しかなく、ただ静かな駅だったが、待合室に花が飾ってあった。
駅員なのか近所に住む人なのか、誰かが頻繁に取り替えているようで、花瓶に生けられている花は小さいけれど生命力があった。
それはこの駅を利用する1日十数人のために生けられた花だ。美しいと思った。

5年振りに青森に来ることになり、再び三厩駅の花を見たくなった。

一日6往復しか走らないローカル列車の旅は開放感に満ちている。
列車に冷房がないので窓を全開にして走る。ぼくは子供のように窓から顔を突き出し体いっぱいに空気を吸う。吹き抜ける風は8月とは思えない爽やかさだ。

田んぼの中や林の中、そしてトンネル。時には海辺を眺めながらの爽快な旅を存分に楽しんで終点、三厩に到着する。

あの花はあるのかな・・・少しドキドキする。

待合室。ん、ん、んっ!

あったあった。椅子などの配置が変わっていて戸惑いはしたけれど、花は以前と変わらない存在感で窓際に置いてあった。
5年振りに再会できたのだ。あの日と同じように生命力があって美しい花だ。誰かが毎日大切に置いているのだろう。なんて豊かなんだろうと思う。

人は歳を取るにつれ、思い出にひたる時間が長くなる。
そのひとつひとつの思い出は人間にとっての宝物だ。

そう思いながら5年ぶりの待合室で感慨にひたる。

帰りの列車は一時間後だ。


20080811

今日北海道を後にする。

涼しくて自然がいっぱいで、最高の4日間だった。

今回の旅行は祖母が招待してくれたものだった。そして、今回の旅程のほとんどが12年前、祖母と今は天国にいる祖父と3人で訪れた時のものと同じだった。
同じホテルに泊まって、同じ牧場で祖父が大好きだったアイスクリームを食べた。

祖父は機会があるごとに旅行に連れて出してくれたことを思い出す。

「物を買ってもいつかは壊れるやろ。でも、楽しい思い出は一生の財産になるよ。」

いつも、そう言っていた。

祖父のおかげでぼくの中には楽しい思い出がいっぱいある。そしてそれは何にも代えがたい財産だ。

人間は亡くなっても、親しかった人の心の中で生き続ける。事実、3年前に亡くなった祖父のことを毎日のように思う。それは受け入れることができなかった、亡くなった当初より強い存在となっている。

子供を育てるということは、子供に豊かな経験をさせることだと、ふと思う。

だから、これからも娘とは(もちろん妻とも)さまざまな所に行こう。
いっぱい遊ぼう。
そして、いっぱいバカなことをしようと思う。

いつまでもそんな家族であり続けたい。

20080809

北海道、函館から車で一時間ほど北上した鹿部という場所のホテルに泊まっている。周りは森ばかりの静かな所だ。

ホテルから1キロほど離れた、やはり森の中にパン屋を発見した。僕たちは朝から歩いて朝食を買いに行くことに。

森の中をゆっくり歩く。木々の緑も空の青さも信じられないくらい鮮やかだ。そして何より涼しいのが最高。

まるでおとぎ話の中のような世界を満喫する。

パン屋の中には焼きたてのパンがならんでいる。どれにしようか、次々に目移りする。うーんそれにしても良い匂いだ。

新鮮な空気を存分に吸った後の朝食は何にも替えがたい位美味い。

20080808

大沼という湖に行った。

小さな島がたくさん浮かんでいて、その小さな島々を橋伝いに歩いて行ける気軽さが良い。ゆっくり歩いていると、トンボがいたり、てんとう虫が腕に止まったり。自然が身近にある。木々の緑は信じられないくらい鮮やかだ。

そんな島々の間を僕たちは足漕ぎボートで進んだ。

必死に漕いでもなかなか進まない。そんな中、汗だくになりながらペダルを漕ぎ、少しずつ前へ進む。娘がハンドル担当なんだけど、全然真っ直ぐに進んでくれず、僕の疲労は増すばかりだ。

だけど風は心地良いし景色も最高。ほんの少しの疲労を感じつつ、家族にとって特別な時間を楽しむ。

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