ケープ・ライトのdiary

20080928

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結婚式は上質な映画に似ていて、その中には笑いや涙や感激が詰め込まれている。言ってみれば、今まで20年、30年の人生がこの一日に凝縮されている。

きょう撮影させていただいた結婚式は、家族に捧げる物語だった。

お二人の生い立ちのDVDから家族への手紙、二次会での兄弟のサポートなど、どのシーンも家族との絆を意識したものだった。

花婿、アリヨシさんはとてもシャイだ。披露宴などで自分がマイクを握った時、いつも言葉に詰まる。そして「もっと喋れっ!」って野次が飛ぶ。アリヨシさんは「何かコトバで言われへんねん。」ってつぶやく。

ぼくはその気持ちが良く分かる。伝えたい気持ちは山ほどあるけれど、うまく言葉に乗せられない。それはとても人間的だと思う。饒舌に並べられた言葉より、アリヨシさんのように少しずつ搾り出した言葉の方が、どれ程聴く人の心に届くことだろうか。

アリヨシさんにはお兄様がいて、そのお子様(3歳くらい)もとてもシャイだ。カメラを向けると決まって下を向いてしまう。なかなか良い表情を撮れなかったけど、帰り際にはお兄様家族の記念写真も撮ることができた。家族4人が少し照れながら写ったカットはとても良い写真になった。

花嫁、エミさんは、リーダーシップが強い。二次会のビンゴゲームでは会場を見事に仕切った。

そしてエミさんには心強い見方が二人いる。それは弟と妹。3人兄弟はいつも支えあって生きてきた。だからこの日、弟さんも妹さんも、最愛のお姉さんの晴れ姿を見てずっと泣いていた。お父様よりお母様より、誰よりも多く泣いていた。本当に嬉しかったのだと思う。このお二人は挙式から二次会まで、お姉さまを裏方でサポートし続けた。泣きながら笑いながら。最高のチームワークだった。

きょうは色々な人が主人公の上質な一日だった。それは全員がこの一日を祝福し、楽しんだ証だと思う。

ぼくはこんな結婚式に立ち会えて幸せだ。体を通して伝わってくる感激はいつまでも忘れられないものとなるだろう。

きょう一日出会うことができた全員に感謝します。ありがとうございました!

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入籍の撮影に京都まで行きました。

何という爽やかな秋晴れ。しばらく前までの湿度を含んだ重い空気と違って、透明感のある空気が心地よい。
出町柳で入籍をされるヤマネさん、カクヒロさんと待ち合わせをしてぼくたちは区役所へ向かいます。
婚姻届をここで提出。おふたりは何か緊張するな~。なんて仰っていましたが、受付はすぐに完了。管理人室のおっちゃんに「おめでとう!」と言って貰って、そしてなぜかオッちゃんとともに3人で写真をとって、区役所を後にしました。

向かった先は新居のすぐ近く、叡山電鉄の茶山駅。ここのホームのレトロな感じが角広さんが大好きということで、ここでも撮影タイム。駅や線路って「旅立ち」を連想できて、結婚の記念日にはぴったりな場所だと思います。

そしてすぐ近くの新居へ。写真についての打合せをしましょう!という名目ではあったのだけど、お宅訪問ばりに各部屋を案内していただきました。昨日引っ越したばかりでまだダンボールが山積み。そのあたりが更に「新婚ですっ!」という空気感満載で親近感が湧きます。和室なんて民宿のようにテレビがポツンとあるだけ。しゃれた部屋に入るより落ち着きます。
そんななかで、3人で打合せ。気が付けば新婚旅行の話題などになっていて、脱線しまくり。笑いまくり。そんな打合せって素敵ですよね。ぼくだって途中からはお客様か友人か。だれと喋っているのか分からないくらいDEEPな時間でした。

お客様と思って接すると時に事務的で当たり障りのない会話になるけれど、相手が友人であると思えると、親密な距離感で写真を撮れると思います。そんな関係で仕事ができると、間違いなく仕上がった写真もフレンドリーで生きた表情を捉えやすくなります。その間柄で仕事ができるのが、考えてみればケープ・ライトの最大のポイント。明日からもじっくりお客様と打合せを重ねながら、信頼関係を築いて行こうと考えています。

20080922

ケープ・ライトの手縫いのアルバムの制作をお願いしているのが鞄作家の七重さん。七重さんには5つ歳の離れた妹がいる。その妹、アツコさんの結婚式があった。海が大好きなアツコさんが選んだ会場は神戸港が一望できる場所。貝殻メッセージやボトルに詰められたゲストへのメッセージなど、「海」にちなんだ演出が盛り沢山だった。

新郎、ken☆Gさんもアツコさんも家族のことが大好きだ。家族写真を撮ると最高の笑顔で答えてくれる。ちなみに姉七重さんもアツコさんのことが大好きでこの日はずっと涙を流しておられた。

アットホームな披露宴は誰もが暖かい気持ちになれた。
そして続いて行われた二次会。

ここでは皆大はしゃぎ。
面白い余興も盛りだくさんで、全員で心の底から笑い、涙したパーティーだった。
集まった友人がふたりの為に様々なプレゼントを用意していて、そのひとつひとつがとにかく面白い。
どれだけ、この二人が皆に愛されているかというのが、すごく良く分かる。とにかく祝福に満ちた素敵なパーティーになった。

きょうは残念ながら雨。希望していた青空の下での結婚式も叶わなかった。それはとても残念ではある。だけど、今日雨だった分、新婚旅行先のセブ島はきっと晴れの日が続くに違いない。
青い空と大好きな海。そんな場所でおふたりゆっくりして来てください。

気が付けばアッという間の中身の濃い一日でした。何よりもむちゃくちゃ楽しかった。
感謝、感謝の一日でした。ありがとうございました!

20080917

面白い写真展を見た。

シノハラユウタ写真展
「NO BRAIN -ノウナイ-」

作者自身の脳内を表現したという展示はL判のプリントが壁面、天井、埋め尽くし、観覧者の足元にも積み上げられている。その数9千枚以上。展示に18日掛かったという力作だ。

これだけの枚数の写真を一枚一枚見るのは不可能。そう、作家は一枚一枚の写真の意味を否定する。9千枚でひとつの作品なのだ。

会場内にいると頭がくらくらする。9千のイメージが頭の中を駆け巡る。
この空間には作者の作品に掛けるエネルギーが充満している。
そのエネルギーに圧倒されてぼくは床に倒れこむ。

おお。そうしてみると・・・。
立っていた時とはまったく違った見え方だ。まるでプラネタリウムの天空が迫ってくるかのような感覚。壁と天井がぐるぐる回っているかのようでもあり、次の瞬間、9千の写真がぼく目がけて飛んでくるような錯覚になったりする。

考えてみれば、ぼくはいつも同じ高さで世界を見ていた。地上170センチの視線が何年も続くと退屈で投げやりになる場合さえある。

時には世界を鳥のような視線で、そしてまた地を這うような視線で見て行こうと思う。その高さでしか感じることの出来ない物が必ずある。
そんな発見もあったり。
この写真展はお勧めです。

大阪市北区のギャラリー10:06にて9月28日まで。
http://www17.ocn.ne.jp/~ga.1006/news.htm

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9月も半分近く過ぎたこの日、結婚式の撮影がありました。
夏の間は結婚式を挙げるお客様自体が少なく、ケープ・ライトも長い夏休み期間がありました。

そんな休みが明けたこの日の撮影。
いつも以上に始まる前は緊張。だけど、1枚目のシャッターを切ってみると体に染み付いた記憶が蘇ってくる。

花婿、花嫁の舞い上がりっぷり。
友人たちの笑い声。
料理やアルコールの旨そうな匂い。

すべてが懐かしく感じる。体は無意識にカメラとともに会場内を駆け巡る。
やはりこの仕事は楽しい。気が付けば主役の二人にも、ゲストの誰にも負けないくらいのハイテンションで撮影した一日でした。

ああ、楽しかった。良い一日やった。と思って帰り道、いつも以上の筋肉痛。長い休みで体はナマリ気味。明日からは気を引き締めて行こうと考えながら夜空をながめると美しい満月。
そう、きょうは中秋。