ケープ・ライトのdiary

20080413

『天使の休日』というミュージカルの撮影がありました。

劇団ショーカンパニーの公演で、今回十年目を迎えるという多くの方から支持されている芝居です。

僕自身9年前にこの作品を撮る所からプロとしてのフォトグラファーのキャリアがスタートした忘れられないもので、歌声を聴くだけで当時の自分にタイムスリップした気持ちになります。

20代前半、初めての撮影で『好きなように撮ったらええよ!』といわれた時の戸惑いや、(ホンマに好きに撮って大丈夫なんかな・・って心配でした。)絶えず動く被写体、一瞬で変わる舞台照明に付いて行くのが必死な現場でオロオロしてしまう状態でした。

それが回を重ねる毎に撮り方、見方が分かってきて、それなりの工夫もできるよになり舞台撮影なら問題なくこなせるようになってきた・・・。そんなつもりだった近頃。

『天使の休日』。

長い時間を置いて久しぶりに撮影することになりました。
撮影中、カメラを通して見えるのは眼の前の役者に他なりません。だけどその奥に、9年前に戸惑いながら撮影していた自分の姿が浮かびます。

なんて必死やったんやろう。なんて熱意持ってたんやろう。何をするにも迷いながら不安で・・・。カッコ悪かったな、と思う。

だけど、今よりずっと真剣に日々生きていた気がする。

そう、思い出した。9年前のぼくはカッコ悪かった。だけど毎日何か得る物があったんだ。それをいつの間にかカッコ付けて失敗をしない生き方を選んでいた。

これはいけない。表現者が失敗を怖がるとそこからは何も生まれない。

これまで一体何を恐れていたのだろう。

そこまで思考してぼくは決意する。

カッコ悪くたって、失敗したって、どんどん挑戦して表現の世界を広げて行こうと。
立ち止まるのは簡単だ。

そう、少しずつぼくは途方もない山を登って行く。

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